クフでダローバルな日記

タフでもグローバルもない

東京大学大学院を退学し、株式会社HERPにエンジニアとして就職しました

経緯

  • 2017年4月に東京大学工学系研究科に入学したが、同10月から休学していた
  • 12月17日に株式会社HERPに社員としてジョインした
  • 7月30日をもって同研究科を正式に退学した

はじめに

伝えたいことはほとんどタイトルで終わっています。30文字を目安にタイトルを決めているため簡潔にしてありますが、字数制限を気にしないタイトルを付けるのであれば、「東大院に入った俺が研究室から逃げ出してスタートアップで無双してる件」といった感じでしょうか。
この記事を書こうと思い立ったときにはちゃんとポエティックに自分の感情の移り変わりを書こうと思っていたのですが、エモい文章を書くのが苦手なので、このエントリでは自分のキャリア選択における後悔および自分への祝福を中心に、この1年ほどの話を述べます。
なお、記事を公開する目的はすべて「おわりに」に書いてあるので、以下の2節は読み飛ばしてくださって構わないです。

なお、このエントリは私用の Scrapbox で(酒を飲みながら)書いたものをほとんど流用しており、箇条書きを多用した形式になっているため、はてなブログとして読みやすい形式ではないと思われます。ご了承下さい。

後悔

  • 自分の好みと自分のキャリア選択を一致させるべきだった
    • これが最大の後悔
      • 僕は高校一年のときくらいに eeic (東京大学工学部電子情報工学科)に進学することを心に決めていた
      • そのために、本来東京大学のメリットであるはずの進学振り分け(2016年度からは進学選択)前のキャリア見直しを全く享受できなかった
      • 自分で想定しているキャリアパスがあったとしても、自分の嗜好の変化を前提として様々な観点から検証すべきだった
    • 研究室選択においては顕著
      • 自分はモノづくりが好きだと思っていたので HCI という分野を選んだ
      • 実際に始めてみるとプロトタイピングやユーザーインタビューが主であるHCIより、プログラミング言語それ自体の良し悪しやソフトウェア工学といった、歴史的/理論的バックグラウンドが深そうな分野のほうが好きなのだと思った
        • これは単純に勉強は好きだけど研究は苦手という「大学までの人」らしい性質の発露であることは否定できない
        • ここで挙げた二分野であっても、研究を始めた見たら無理になって退学する未来が容易に見える
      • 研究分野の向き不向き以前に、研究という行為自体への向き不向きを、大学院進学前に検証すべき
  • 自分の目標とその達成手段を頻繁に見直すべきだった
    • 前項をより一般化した後悔かも
    • 自分の一旦の目標は中学3年生の頃から昨年に至るまで、Googleにソフトウェアエンジニアとして就職することだった
    • 昨年度、Google でエンジニアインターンと働けた
      • エンジニアとしては天国みたいな環境だと思った
      • しかし自分の能力や指向性を鑑みると、能力の高いエンジニアが無数にいる Google では、自分が前に出て何かをやるのは不可能だろうと思われた
        • ただ、チームリーダーの方から「普通インターン生はもっとナーバスになるものだけど、君は初週から緊張してなくてすごいね」と言われたのは嬉しかった。
        • メンターの方は(少し変わった方だったが)とてもいい人だったしいろいろ学ばせていただいたと思う。周囲の方もめちゃくちゃ勉強になる話をしてくれたのでとても充実した3ヶ月だった。
        • 最高の環境だったけど、自分が力になれる気がしなくて怖気づいてしまった
    • そもそも中3時点の目標は夢でしかなく、その先の夢や目標も都度更新しないとどこかで頭打ちになると思い知った
  • 退学したいという反動から気軽にスタートアップ企業を選んでしまった
    • スタートアップは無数にある
      • 無数にある中でも有望そうなスタートアップはたくさんある
        • 自分がなんでそのスタートアップを選んだのかは、入社前に自分で明確化しておいたほうが良い
    • 自分がそのスタートアップで勉強したい分野をはっきりさせておくべきだった
      • スタートアップは、確かに勉強になる
      • だが、下手すると流されて自分のしたくない作業をすることになるので、前もってはっきりさせておいたほうが良い
        • 幸いなことに僕は、会社にとって必要だろうと思われたことと僕が個人的に興味を持ったこととが一致していたので特に不満はないが、運が良かっただけ
        • 多くのキャリアについて述べた言説は生存バイアスが強いので話半分に聞くしか無い

祝福

  • パッと就職先を選んだ
    • HERP のエンジニア組織は、より良いプログラミングパラダイムへの探究心が強い
      • Functional Programing や Reactive Programming などの先進的なパラダイムを取り入れている
      • 僕が学習者ながらも採用を提案した、テスト駆動にするための DI/Hexiagonal Architecture も導入してくれた
    • 不完全な組織ではあった
      • 創設1年目のスタートアップなので仕方ないことではあるが、組織として不十分なところはあったと思う
      • たまたま自分の入社直後にそれを振り返る機会があったし、そもそも「振り返り」という手法自体もなかったので、自分が先導をとってXPやアジャイルの手法を取り入れられたのはいい経験になったと思う
    • HERP の実現しようとしている世界が、キャリアに悩むエンジニアとして魅力的だった
      • エージェントや媒体企業が過剰な(と僕は感じる)利潤を得ており、企業や転職者が相対的な損失を被る仕組みは間違ってるように思った
  • 担当教官は最高だった
    • 純粋に自分の能力がなく、かつ分野にもマッチしていなかっただけで、担当教員のサポートは手厚かった
    • 担当教員はこれまでの人生で出会った中で最も能力的にも人格的にも尊敬する人のうちの一人
      • だからこそ、自分の無能さを感じるところがあったと同期が言っていたがたしかにそうかも
  • 学科で知り合えたメンバーは最高だった
    • 一緒に勉強しようと言えば一緒に勉強してくれ、かつ教えてくれる友人というのはなかなか見つけづらいのではないかと思う
      • 最近過去の自分の供養のために数学を勉強しているが、色んな人が教えてくれるので良い
    • これは主観だけど、進学してから気づいた自分と分野とのミスマッチについても共感してくれる人が多いように思う
      • これについては、学科も研究室も就職先も一緒でしかもライバルであり一緒に切磋琢磨できる同期のエンジニアであるところのAzoson(id: Tak_Yaz)がいたのも大きい
    • コネクションとかネットワークづくりの重要さを痛感した

おわりに

公開前に素面で読み直している今ですら恥ずかしいので、知り合いの各位は適宜飲み会とかに呼んでいじってください。
なお、この記事は一応 退学AdventCalentder 2017 の 21日目の記事です。かなり遅れてしまったことをお詫び申し上げます。

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