クフでダローバルな日記

タフでもグローバルもない

学科で Advent Calendar をするということ

この記事は、eeic2015 の自称イベンター(not イベ長)であるところの僕が、次世代のイベンターを募集するための啓蒙ポエムです。

eeic Advent Calendar 2016 その2 の最終日の記事でもあります。

qiita.com

eeic Advent Calendar 2016 総括

eeic Advent Calendar 2016 は今日で終了となります(この文は2016年12月25日に書かれました)。 参加してくださった皆さん、ご協力ありがとうございました & お疲れ様でした。

せっかくなので今年の Advent Calendar について少しだけ振り返ってみようと思います。

学年ごとの延べ参加者数

個人的に気になったので、把握できる範囲で参加者を年度ごとにまとめてみました。 合計が50にならないのは、上の方の世代の方で僕が世代を知らない人が多かったためです。 来年以降は自分の年代書くの必須にしたい。

学年 その1 その2 合計
eeic2010 0 1 1
eeic2011 0 0 0
eeic2012 4 0 4
eeic2013 6 1 7
eeic2014 0 0 0
eeic2015 12 5 17
eeic2016 1 2 3
eeic2017 1 13 14

僕の同期にあたる2015が多いのは納得ですが、2017が想像以上に多くて怖いです。 eeic2017 は技術的にも強そうな記事が多くて本当に怖いのですが一言老害として苦言を申し上げておくと、やや日本語が怪しい傾向にあるのでキレられたくない人は『日本語の作文技術』と『理科系の作文技術』くらいは読みましょう(より具体的に言うならば、この段落を読んで日本語が怪しいと思わなかった人、もしくは怪しいと思っても直し方がわからない人は必ず読んで下さい)。

お忙しい中記事を書いてくださった先輩方、ありがとうございました。eeic2014の方々は僕のこと嫌いなんでしょうか。

ジャンルごとの記事数

記事のジャンルを勝手に分類しました。

ジャンル その1 その2 合計
技術 13 13 26
生き方 5 4 9
eeic・東大関 3 4 7
オタク 2 2 4
その他 2 2 4

ジャンルのばらつきはその1・その2で意外と均等ですね。 今年はオタク枠が少なくてやや悲しい気もします。

話題になった記事

今年の Advent Calendar で一番人気を博した記事は、 id:aerith7 さんの apollo11号のソースコードを読みつつ - aerith7’s blog であることは誰もが認めるところでしょう。 2016年12月26日16時57分時点ではてなブックマーク数は1657記事にも上り、メディア掲載劣化版無断パクリ記事の登場魚拓はこちら) にまで至っています。しゅごい。

eeic Advent Calendar をはじめたワケ

eeic Advent Calendar も二年目を終え、来年以降も続いていくと良いなと思いつつ、定番化すると当初の目的意識が曖昧になることもよくある話なので、ここで僕が Advent Calendar という文化を eeic に輸入した理由を記述として遺しておこうと思います。
理由は大きく分けて3つあるので、以下ではそれらを順番に語っていきます。

学科民にパブリックな記事を書いてほしい

eeicの後期実験の一つである「大規模ソフトウェアを手探る」では、ブログ記事をレポートとして認めることで外部に知見を共有し、自分の苦労とスキルを公開できるという面白い特徴があります。 @Kriver1 の 「LibreOfficeCalcに関数候補表示機能を付けるまで 最終回 LibreOfficeにコミットしてみる - Qiita」 では、この記事を公開したことで LibreOffice のmini Conferenceに招待されています。
この経過を控室で見ていたことや僕自身もブログによって恩恵を得ていたことから、大学外部への発信を通して得られる利益を他の人にも得てほしいという思いがありました。

なので、少し話はそれますが、ブログを書くこと・それが"バズる"ことのメリットについて話したいと思います。

エンジニア向けの自己啓発書として最近話題の『SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル』の第1部「キャリアを築こう」第5章「面接をハッキングするコツ」に次のような一節があります。

次のようなシナリオを想像してみよう。あなたは面接会場に入っていく。面接官と握手すると、面接官があなたを見たあと、一瞬、間をおいてあなたを認識し、顔をほころばせる。「ああ、あなたのことは知っていますよ。ブログで写真を見てますからね。あなたのブログポストはずいぶん読んでいますよ」

面接中にそういうことが起きたら、合格の可能性はどうだろう。(中略)ポイントは、一般に考えられていることとは裏腹に、ほとんどの面接官は、技術以外のあらゆる要素に基づいて人を採用するということである(有名ブログを持つための具体的な方法については第2部で説明する)。

早い話が、ブログがバズると就活などで使えます。
何を意識の高いことを言っているんだと思われるかもしれませんが、多くの人に読んでもらう技術記事を書くために必要な能力は文章力・構成力・テーマの発見能力などなど実用的なスキルセットです。 そういったスキルを身につけられるだけでなく、面接官に自分の強みを履歴書以外の部分でアピールできるのがブログなどの自己発信メディアの強みでしょう。

実体験の話もしておきます。僕はB3の夏にはてなのサマーインターンに行くことを目標にeeic生活を過ごすことにしていたのですが、大量に課せられる課題の影響もありB3の春時点での僕の開発スキルはほとんど初心者レベルで、技術的に自信のある領域などは全くありませんでした。 そこで僕が取った戦略は、はてなapiを使ったWebサービスを作ってブログに公開することでした。 結果的に多くのはてなユーザーの方に使っていただけた上に記事もそこそこバズり、念願のはてなインターンに参加に至ることができました。
実際にこのブログが合格にどれほど作用したのかは聞けませんでしたが、はてな社員の方からこの作ったサービスと記事の話を振られること何度かあったので、「技術以外のあらゆる要素」の一部をアピールできたのではないかと思っています。 技術に自信がない人こそ、ブログなど技術以外の面で自己アピールしていくのは戦略としてアリだと思います。

今年は Advent Calendar に参加を断念した方も、こんなメリットがあることを念頭に置いて来年以降は参加していただけたら企画者冥利に尽きます。 ただしもちろん、そんな意識の高い記事ばかりになってしまうのも面白くないですし、eeicの実態を全く反映しないので、趣味と情熱が振り切れた記事やコンプレックスを露出する記事などもぜひぜひ書いてほしいところです。

外部に eeic を知ってほしい

東大では進学振り分けというシステムによって、学科の人気が如実に可視化されます。 近年の eeic の人気は概ね右肩上がりであり、「人気回復期」であるといえますが、過去の変遷を見る限り、今後もその傾向が続くとは限りません(参考: 東大電気系(eeic)の人気の変遷をたどる - nakachanのブログ)。

eeic の人気回復のために有効だったのは、先生方の尽力ももちろんですが、五月祭における学生主体の展示が大きいと僕は考えています。 だからこそ、今後の人気を維持していく、なおかつ進振り学生と学科のミスマッチを防ぐためにも、eeicがどんな学科なのかを学生主体で発信していくことが必要だと考えました。
今のB2に昨年のAdvent Calendar を読んでいた人がどれほどいるのかは存じ上げないので、結局どれほど効果があったのかはわかりません。 ただ、今年の Advent Calendar を見れば、どんな人が eeic にいるのかが進振り説明会などよりも如実に伝わるのではないでしょうか。

※もし、進振り前から eeic Advent Calendarを見たという人がいたら、聞きたいことがあるので教えてください。

たのしい

僕はよく「理学部情報科学科に行けば良かッた!!」などとたまに愚痴っていますが、結局eeicが好きです。 僕が思う eeic の一番良いところは「他者を楽しませようという気持ちがある」という点で、これは他の学科より明らかに勝っているのではないかと考えています。
これはG3実験やBDMのように講義で発揮されるだけでなく、今年MFAwards学術部門で5連覇を達成した近未来体験でも如実に発揮されています。

この他者を楽しませる・他者の役に立つという性質は、「媚びている」と称されることもあるものの、モノを作って現実社会に還元しようとする工学部の精神に呼応したものでしょう。
僕は今までに学科同期でハッカソン・LT大会・ラボ紹介などを企画していますが、同期が作ってくれるものが楽しみだからこそ企画するモチベーションになっています。 来年以降の Advent Calendar も、楽しい記事を読めることを楽しみにしています。

イベンター募集

上の項で学科でイベントを企画することの楽しさを述べましたが、オタクは場を与えれば参加してくれるものの実際に場を作ろうとする人はあまりいません。 なので誰かが場を設置する必要があるのですが、eeic2016以降の後輩にそういった企画者がいるのかは知りません。
というわけで、いろいろ場所をお膳立てする縁の下のイベンターをこの場で募集しておきます。 やることは大変ではないのですが、僕がこの2年いろいろやった結果オタクを動かすノウハウも少し蓄積されてきたので、今後何かしたいけどやり方がわからんというときはぜひ僕に声をかけてください。出来る限りの協力はします。

ちなみに僕が開催したイベントの振り返りがwikiの僕のページに書いてあるので、そちらも御覧ください。